わずらわしい耳鳴り、どうすれば治まる?
【聞こえない音を脳が勝手に作り出すのが「耳鳴り」】
周囲に音がないのに、耳の中で「キーン」「ピー」「ジー」「ザー」「ゴー」
といった雑音が聞こえる症状を「耳鳴り」といいます。
耳鳴りが発生するメカニズムはまだ完全には解明されていませんが
有力な仮説として「内耳(聞こえのセンサー)の障害」が挙げられます。
何らかの要因によって内耳に障害が起こると
脳に送られる電気信号が減少し
これまで聞こえていた音が聞こえにくくなります。
すると脳は興奮し、聞こえない音を補おうとして
実際には存在していない音を作り出そうとします。
耳に限らず、不足した機能を補おうとする働きは
体に備わっているシステムの一つです。
しかし、その結果、耳の中で本来は存在しない雑音を
生み出してしまうのが、「耳鳴り」なのです。
ただし、突然大きな耳鳴りなどが起こる場合は突発性難聴や
急性低音障害型感音難聴などの可能性も考えられるため
聴力検査を行っている耳鼻咽喉科で早めに診察を受けることをおすすめします。
この他、老眼と同じように、加齢とともに誰にでも
起こり得る現象として「加齢性難聴」があります。
これは加齢によって聞こえのセンサーである蝸牛の中の有毛細胞がダメージを受け
細胞の数が減少したり、聴毛が抜け落ちたりすることで起こり、耳鳴りを併発することがあります。
一般的に、耳鳴りや聞こえの悪さなどの症状が顕著になるのは60代以降ですが
近年では男女ともに40代から聴力の低下が顕在化することが分かりました。
オンライン会議などで長時間ヘッドホンやイヤホンを使用したり
ポータブル音楽デバイスなどで音楽を大音量で聞き続けたりすることも
聴力の低下を招く要因となるので気をつけましょう。