原因はスマートフォンの使い過ぎ!? 「脳過労」を防ぐデジタルデトックス術
「以前に比べて怒りっぽくなっている」
「ささいなことでイライラしてしまう」
「頭の中がいつもモヤモヤしている」
「寝床に入ってもなかなか寝つけない」
「物覚えが悪くなってきた」
上記の症状のいずれかに、心当たりはありませんか?
これらの原因はさまざまですが、最近ではスマートフォンの使い過ぎによる
「脳の疲れ」もこうした症状を引き起こすといわれています。
そもそもなぜ、スマートフォンを使い過ぎると脳が疲れてしまうのでしょうか。
まず、脳のしくみから見ていきましょう。
脳は、生命維持、運動や言語、感覚、意識、知的活動など、人の心身をコントロールし
あらゆる活動をつかさどる、重要な臓器です。
脳の活動は、体の内外からの情報の処理と保存を行う「神経細胞(ニューロン)」が
発する電気信号をメインにして起こります。
目や耳などから送られてきた情報を脳の神経細胞が受け取ることで
体を動かしたり、何かを考えたりしています。
意思決定や記憶、感情のコントロールなども行われます。
自分自身を脳の“オーナー”に例えると、脳はオーナーが
生きている世界(生息環境)に適応するように働きます。
脳の中では神経細胞同士が手をつないで神経ネットワークをつくり
活発な情報処理が行われています。
オーナーの行動や思考などに関わるネットワークでは効率よく情報処理が行われ
それが追いつかなくなると神経細胞がつなぐ手の数を増やしたり
あるいは手を伸ばしたりするといった方法で、情報のやりとりをスムーズにしていきます。
一方で、あまり使わない機能に関わるネットワークは消滅させるなど
脳は常に変化し、オーナー自身に適応しているのです。
【脳がなぜ「過労」になるのか】
脳は神経ネットワークを活発化させることで情報を処理するため、スマートフォンを通じて送られてきた情報にも適応しています。
しかし、その一方で、多くの情報処理をすることで脳は疲れます。
通常、休息をとることによって疲れは回復しますが、スマートフォンは下記のように、朝起きたときから、夜寝る間際まで使い続けているケースが少なくありません。
【スマートフォンを使う生活シーンの例】
・朝、目覚まし時計に使う
・朝食をとりながらSNSやメールなどをチェック
・通勤電車の中でもチェック
・仕事の休憩時間にもチェック
・夜、寝床に持ち込んで、眠くなるまでSNSや動画などを見る
目覚まし時計に使うことも、時計を止めるといった行動の指令を脳が出すので
脳を使っているという意味では同じといえます。
また、就寝間際まで脳を使っていると、疲れたまま眠りに就くことになり
回復の妨げになるといわれています。
1日中スマートフォンを使い続けるということは
脳を1日中ずっと働かせているのと同じことといえます。
こうした状態が続くと、休んでも疲れが回復しない「過労」となります。
脳が過労を起こすことから、「脳過労」と呼ばれています。
【使い方の「見直し」がデトックスへの第一歩】
スマートフォンの性能は日進月歩で、近年は通信環境も格段に良くなっています。
動画観賞や、配信のゲームなどもストレスなくできるようになり、楽しみ方も広がっています。
一方で、便利になった分だけ脳に入る情報量も多くなっています。
日々のスマートフォンを使う時間が増えて、その期間が長くなると
脳の情報処理が追いつかなくなり、ますます疲労が蓄積することになりかねません。
そこで重要なのが、自分のスマートフォンの使い方を意識的に見直すことです。