3月 2024

「頭が凝る」

「頭が凝る」 なんとなく頭が重いといったことがよくあります。 とりたてて病気があるわけでもないのに うっとうしい感じが抜けません。 頭にヘルメットをかぶせられたような気がします。 この症状は夕方になると強くなり 家に帰ってゆっくりと風呂にでもつかった後はだいぶ楽になります。 これは頭痛の中で最も頻度の高い、緊張型頭痛というものです。 この緊張型頭痛は“頭凝り”といわれることもあり 実際、肩も凝っていることが多いのです。 動物の亀は身の危険を感じると 首をすくめて防御の態勢に入ります。 これが“亀の首すくみ”といわれるもので 頭凝りになる状況はこの“亀の首すくみ”と似ています。 一日中、机に向かって仕事をしている格好は、まさに“亀の首すくみ”と同じです。 しかし、ただたんに首をすくめたような姿勢をとるだけが頭凝りの原因ではありません。 むしろ、精神面での“首すくみ”現象がその主因になっているのです。 私たちは、振り払うことのできないストレスに取り囲まれますと このストレスから身を守るために必死の防御姿勢をとるようになります。 この内的な防御姿勢をとり続けることが頭凝りを生み出すことになるのです。 こうして生まれた頭凝りが、また、新たなストレスとなり 頭凝りをさらに増強させ、ここに悪循環が成立します。 頭凝りにならないためには、仕事の合間、合間に首や肩をもみほぐす 軽いストレッチ体操をするのがいいでしょう。 そして、仕事にメリハリをつけ、思い切った気分転換をはかることです。

「緑茶の効用」(ポリフェノール、ビタミンC)

「緑茶の効用」(ポリフェノール、ビタミンC) 緑茶にはさまざまな効用があることが報告されています。 なかでもがんの抑制に効果があるとする報告は注目に値します。 緑茶のどの成分ががんの抑制に関わっているのかについては まだ十分に解明されてはいませんが 今、一番注目されているのがポリフェノールの1つの「カテキン」です。 カテキンは細胞の突然変異・がん化促進・転移などのがんの発症・進展の すべての段階で抑制効果があると言われています。 カテキンは遺伝子のDNAに対して、人体がもっている修復機能を活発にし 活性酸素を消失させて突然変異の発生率を下げたり、発がんを誘導する物質が 細胞の“かぎ穴”に入り込む前に穴自体を封じて入り込めないようにしたりして がん化促進作用を抑えると考えられています。 さらにカテキンは、がん細胞そのものに対して毒性を発揮する作用もあるようです。 また、緑茶に含まれるカテキン以外のポリフェノールにもがん抑制効果があるようです。 緑茶に含まれているビタミンCが発がん物質として知られている ニトロソアミンの生成を抑制し、カフェインにも発がん抑制効果があるようです。 また、カテキンがインフルエンザウイルスを消滅させたり 病原性大腸菌O157や胃の中のピロリ菌などに対して殺菌効果があることなどが報告されています。 新茶が美味しい季節です。自然の恵みの緑茶をゆったりと味わいましょう。

心を癒し、絆を深める「手当て」の不思議な力!

「手当て」が生み出す‟絆ホルモン” お腹が痛いときに手で腹部をなでる 不安や緊張を感じるときに手で頬に触れて気持ちを落ち着かせる……。 このように何気なく体のどこかに手を当てて 自分自身を癒やしていることは多いもの。 あるいは信頼関係を築いている人に手で触れたり その人からやさしく触れられたりすることでリラックスしたり 幸福感に包まれたりした経験がある人も少なくないことでしょう。 ケガや病気などの処置をする医療行為を「手当て」といいます。 言葉の由来は諸説ありますが、私たちが普段から自然に行っている「手を当てる」ことによって 得られる癒やし効果が原点という説もあります。 なぜ手で肌や体に触れると痛みが和らいだり、心が穏やかになったりするのでしょうか。 その理由の一つとして挙げられるのが「絆ホルモン」「幸せホルモン」と 呼ばれるオキシトシンの存在です。 【オキシトシンの分泌を促す触れ合いのコツ】 オキシトシンの分泌を促し、癒やし効果を得るためには次の3つのポイントが重要です。 1 お互いに触れ合うことが快適だと思える相手とスキンシップを図る 触れたい、触れてもらいたいという気持ちをお互いに共有することが不可欠です。 触れたくない、触れてほしくないと思う相手とスキンシップを図っても オキシトシンの分泌量アップはあまり期待できません。 2 自分自身がリラックスした状態で、愛情をもって触れる オキシトシンには相手の感情と同調する作用があるといわれています。 自分自身がリラックスした状態で人に触れることで相手もより安心でき 相手が喜んでくれることで自分もまたハッピーになり オキシトシンの分泌が促進される効果が期待できます。 「面倒くさい」などと思わずに愛情や思いやりをもって触れることで 自分自身を癒やすことにもつながります。 なお、相手が緊張や不安を感じていたり、興奮したりしているときにはぎゅっと圧をかけて抱きしめたり 包み込むように手を握ってあげたりすると自律神経の副交感神経が優位になり 心を落ち着かせる効果が高まります。 3 ゆっくりしたスピードで5~10分触れ続ける 英国の神経心理学者らによって行われた研究(※1)で、1秒に5cm前後の速度でなでたときに 最も気持ちよく感じるという結果が出ています。 【セルフマッサージの4つのポイント】 セルフマッサージを行う際は、次のポイントをぜひ意識してみましょう。 1 テレビを見ながらなどの「ながらマッサージ」ではなく 自分の皮膚の感覚に意識を集中させる手で触れたところがどのように感じるか 自分の感覚に意識を向けてみましょう。 2 オイルやクリームなどをなじませてゆっくりマッサージする 何も塗らずにマッサージするよりも、オイルやクリームをつけて行ったほうが心地良く感じ リラックス効果が高まる傾向にあります。 3 ゆっくり深呼吸をしながら行う 深い呼吸によって副交感神経が優位になり、リラックス効果が高まります。 4 背中やお腹の下(丹田)は10秒ほど手を当てて温める ストレスの緩和などの効果が期待できます。 なお、リラックスとは反対に、「頭をシャキッとさせたい」「眠気を早く覚ましたい」といったときは オイルやクリームはつけず、少し速めのスピードで皮膚をさすってみましょう。 自律神経の交感神経が優位になり、覚醒効果が生まれます。 不安やストレス、苦痛などを和らげて心を癒やし、親しい人とより良い関係を築く。 これが「手当て」によって得られる最も大きな効用だと考えられます。 「自分は元気だから大丈夫」と思っていても、人に触れられることによって ストレスで体が凝り固まっていたり 心が想像以上に疲れていたりすることに気がつくケースは少なくありません。 家族や友人、パートナーなど可能な範囲で触れ合える相手との時間を大切にしましょう。 プロのマッサージを受けるのも一つの方法ですが、癒やし効果を得るためには強めにもみほぐすタイプより やさしいタッチでなでるようなタイプのマッサージを選ぶことも大切です。

「立ちくらみがする」

「立ちくらみがする」 立ちくらみとは、立ち上がったときにフラフラッとめまいを感じることですが これは立ち上がった時に血圧が急に下がり(起立性低血圧) 一時的に脳への血流が減少した結果生じる脳循環不全の症状です。 健康な人でも立ちくらみは起きます。 立ち上がると重力で血液が下半身に集まるため 脳へ行く血液が一時的に減り意識が薄らぐことがあります。 しかし、人間の体は、血圧を一定に保ち 脳の血流を正常に戻す機能を持っています。 血圧が低下すると頚(けい)動脈(どうみゃく)などにあるセンサーが血圧の変動を感知して 交感神経を介して心臓の動きを強めたり、血管を収縮したりして血圧を回復させるように働きます。 こうした体の仕組みが上手く働かないと起立性低血圧が生じます。 この起立性低血圧は思春期に発症しやすいのですが、高齢者にも多くみられます。 低血圧の人は立ちくらみを起こしやすいのですが、高血圧の人でも ちょっとした体位の変換で血圧が大きく変化することがあり その血圧の変化にともなって、脳へ行く血液量が急に少なくなれば立ちくらみが生じます。 また、高血圧の人は降圧薬の服用によって一時的な低血圧状態になることがあり このときに立ちくらみが起こりやすくなります。 高齢者では「食後性低血圧」に注意しなくてはなりません。 食事をすると消化のために血液が胃や腸に集まります。 その分、心臓に戻ってくる血液量が減りますので血圧が下がります。 若い人や健康な人では、このときに自律神経が働いて心拍数を上げ血圧を元に戻しますが 高齢になると自律神経の調節システムがうまく働かなくなって低血圧になってしまうのです。 食後に血圧が低下して、顔から血の気が引いて、めまいやふらつきが起き ひどいと失神するケースもあります。 食後の低血圧を防ぐためには、腹八分目を心がけ ゆっくりと時間をかけて楽しく食事をとることです。 食後に血圧低下が認められる人は、晩酌を控えたほうが無難です。 カフェインは交感神経の働きを促進させて血圧を上昇させますので 食後の緑茶やコーヒーはお勧めです。 そして、食後の30分から1時間ぐらいは、急に立ち上がることは避けたほうがいいでしょう。